定義
世界には日常の経験によっては証明不可能な秩序が存在し、人間は神あるいは法則という象徴を媒介としてこれを理解し、その秩序を根拠として人間の生活の目標とそれを取り巻く状況の意味と価値が普遍的、永続的に説明できるという信念の体系をいう。この信念は、生き生きした実在感をもって体験として受け取られ、合理的には解決できない問題から生じる知的、情的な緊張を解消し、人間に生きがい、幸福を与える役割を果たすものとして期待されている。また、信念を同じくする人々が、教会、教団とよばれる共同体を形成する。
[柳川啓一]
西欧的にはキリスト教を基準に考えるので、教祖、教団(社会組織)、教養、儀礼などの要素が揃っていることを要求する。
しかし、儒教や道教や神道も宗教として扱われることもあるように、宗教の定義は広がって考えるべき。ユダヤ教と神道は同次元上にあると思う。生き方を示し哲学と絡みついている。
人類はおよそ10万年ほど遺伝子的にはほぼ変化していない。いわゆる人種が違っても、遺伝子的差異はほとんどない。また双子実験で、離れて暮らした双子は違う宗教を信仰していたとしても、その敬虔さ度合いは同等という調査もある。つまり、人類は何か大きな力を信仰する性質がある。少なくともそういう人達が大多数。
地域による実際に信仰する宗教の違いは、何か人種的な必然性があるわけでなく、ただ気候や(突出した)創唱者の存在による偶然。
❝信仰❞的なモノの根っこは同じ。宗教の定義を狭めて考えているに過ぎない。