harapeco20200309の日記

カードゲーム 読書

【読書】2024年 3月

2024年3月の読書メーター
読んだ本の数:13冊
読んだページ数:3694ページ
ナイス数:25ナイス

https://bookmeter.com/users/1470825/summary/monthly/2024/3
■「家庭」の誕生 ――理想と現実の歴史を追う (ちくま新書 1760)
読了日:03月01日 著者:本多 真隆
https://bookmeter.com/books/21615403

■英語で読む老人と海 (IBC対訳ライブラリー)
漁の描写が大半を占め、英文がリライトされているものなのもあって、似た表現が繰り返されていた。その点以外は良かった。対訳で、単語やイディオムもページ下にのってるので、語彙検索の頻度も少なく済む。英語での文学の入りとしておすすめ。
読了日:03月01日 著者:アーネスト・ヘミングウェイ,ローランド・ケルツ
https://bookmeter.com/books/19850369

■Elon Musk: How the Billionaire CEO of SpaceX and Tesla is Shaping our Future
読了日:03月06日 著者:Ashlee Vance
https://bookmeter.com/books/11625413

■日本語を翻訳するということ - 失われるもの、残るもの (中公新書)
日英間の違い、翻訳出来るもの出来ないものを観察し考察している。翻訳のノウハウではなく、翻訳を通じて日本語の性質を見出すという内容。英文も豊富で差異が非常に身に染みる。訓音、現在形過去形、文学的比喩文化的比喩、受動能動と、ウチ・ソトという二項対立を適用しすぎているきらいがあるが、しつこさを感じる程ではなくこれも一つの見方と思える程度ではあった。一定のルールを当てはめることで、繋がってないものが実は繋がって見えることもあると思うので。
読了日:03月06日 著者:牧野 成一
https://bookmeter.com/books/12879937

■学校では教えてくれない日本語の授業
読了日:03月07日 著者:齋藤 孝
https://bookmeter.com/books/8200431

■思考の整理学 (ちくま文庫)
話題になっている本で、これほどひどい駄本には出会ったことがありません。この本に害悪が載っている訳はありません。しかし、実質的に何も書かれていないのです。比喩や例に非科学的なことも出てきます。
哲学者の名前がタイトルに入っている、伝記も混じった哲学入門書などの方がよほど思考力が身に付きます。読書についてのイロハを身につけたいなら、齋藤孝の本か、理科系の読書術をおすすめします。とにかく読書を始めたいという人なら、こんなのより宮沢賢治太宰治などから読み始めればいいと思います。
読了日:03月09日 著者:外山 滋比古
https://bookmeter.com/books/581017

■疫病と世界史 上 (中公文庫 マ 10-1)
読了日:03月13日 著者:ウィリアム・H. マクニール
https://bookmeter.com/books/397067

スティーブ・ジョブズ・ストーリー The Steve Jobs Story (ラダーシリーズ Level 4)
読了日:03月17日 著者:トム・クリスティアン
https://bookmeter.com/books/4582719

■もうひとつのルネサンス (平凡社ライブラリー お 19-1)
全八章に一貫した視座はあるが、一貫した感想を付すのは難しい。芸術が何を為すか、はその作者の意図どころか、その時代、その地域にとどまらない広がりと熱量があることを教えてくれた。
芸術史には疎く、世界史とちょっとしたキリスト史しかかじっていなかったが、とても楽しく興味深く読めた。
また、キリスト教における教会の位置づけへの認識も改まった。順序は分からないが、教会と権威は高めあっていて、その上に司祭と一般信者との関係性もあるのだと。
読了日:03月18日 著者:岡田 温司
https://bookmeter.com/books/577249

■教養としての「ローマ史」の読み方
かなり読みやすいように書かれてある。一人の人間が歴史に与える影響を、少なくとも古代においては大きいと考えている著者ということで、皇帝と戦争を中心に進行していく。矢継ぎ早に皇帝が出てきては死んでいくので、印象に残る部分は少ないが、さいごのまとめを筆頭に、テーマを絞ってローマを描いているので、通読後の部分の読み直しがしやすそう。
読了日:03月21日 著者:本村 凌二
https://bookmeter.com/books/12720223

プロテスタンティズム - 宗教改革から現代政治まで (中公新書 2423)
キリスト教の一派としての概略とその流れがわかる。また、当時の社会的制度の疲労への反動や、神聖ローマ帝国バチカンの対立などを巻き込んで起こったとしている。ルターの当初の思惑を超えて、宗教的なものだけでなく、政治的な思いが仮託されたシロモノだったのだと分かった。重複している部分が目立ち、一部目が滑ったので、新書という枠組みだが、もっと込み入って詳細な記述の方がよかった。
読了日:03月25日 著者:深井 智朗
https://bookmeter.com/books/11556770

■疫病と世界史 下 (中公文庫 マ 10-2)
略奪者からの支配層への発展をマクロ寄生と呼び、疾病と対照づける観点が面白い。また、病原菌が人間の居住地に安定していくと、それが小児病となっていくという部分や、行商の盛んな病気に見舞われやすい土地の住人の方が、むしろ病気の影響が壊滅的にはなりにくいなど、節々にあるちょっとした考察とその説明が、あるテーマの通史としてのもの以上の知見をこの本に与えている。平衡という世界観と、近世以前の人々の価値観への想像を持っていれば、楽しく読める本だと思う。
読了日:03月29日 著者:ウィリアム・H. マクニール
https://bookmeter.com/books/397068

イスラームから見た西洋哲学 (河出新書 021)
東浩紀の「観光客の哲学」に通ずるものを感じた。現代の西洋哲学の主観を基盤にした論理の積み重ねを砂上の楼閣のようにとらえている。ただし、それでも完全否定しようとはせず、バランス感覚のようなものを保とうとする姿勢自体に西洋哲学の風味も感じる。屈せつしている。本格的な哲学の本ということではないが、概観をイスラーム視点で見れるので、良い本。
読了日:03月30日 著者:中田 考
https://bookmeter.com/books/21695432


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【記念】ブログ 4周年

 

 

割と本を読めた一年だった。

アクセス数は4000弱で、一番多く獲得した年だった。

 

他人にがっかりし続けた一年だったが、ごまかし抜きでまともな人を見つけることを希望に生きていこうと思う。

 

 

 

【書評】斉藤孝 学校では教えてくれない 日本語の授業

学校では教えてくれない日本語の授業 / 齋藤 孝【著】 - 紀伊國屋書店ウェブストア|オンライン書店|本、雑誌の通販、電子書籍ストア

 

一限目

やりがいがある授業が大事。成長を感じられるように工夫する。新聞のような要約が出来るとか、エッセイがかけるとか。

まとまった量の文章の暗誦が効果的。日本語外国語問わず。

総ルビすればいいので、漢字レベルに文章レベルを合わせるのはナンセンス。

 

二限目

漢文の素読は、外国語習得の型作りにもなっていたし、日本語力も高めていた。

使う言葉によって思考様式が異なる。帰国子女が実際そう。

源氏物語はとてつもなくハイレベル。文豪も認めている。大和言葉と漢文が渾然一体となっている。

 

三限目

江戸時代の人は今とほぼ同じ喋り。

言文一致運動としての夏目漱石

男性の、文化植民地根性丸出しの漢文崇敬が、文章を難しくした。

坊ちゃんは落語扱いされた。しかし、漢文の素養もある。英語の翻訳のようでもある。

「書くように話す」極端に形式ばっていないなら問題ない。

一分間にまとめて話す。キーワードを多く含ませて、出来ればオチもつける。

原始的でシンプルなモノ、面倒くさいくらいの物の方が脳の機能を高める。

 

四限目

文学作品は太宰治が最初として読みやすい。

ミステリも良い。ジェフリー・ディーヴァー高野和明

字幕は高度な日本語力で作成されている。「字幕の花園」「映画字幕の作り方教えます」

翻訳文を読みこなすのも訓練になる。複文や代名詞の読み取りなど。

音読は黙読に比べ、話す行為と自分で聞く行為が発生し、文字と音とのタイムラグが発生することで体の中に入って咀嚼しやすくなる。

言葉の勢いも感じられる。「歯牙にもかけない」「猛き者も遂には滅びぬ」

 

第二部 日本語の魅力はここにある!

五限目

中西進「ひらがなでよめばわかる日本語」同音異義語には共通するイメージがある。

語群の共通イメージをくみ取れるのはネイティブだけ。

飽きるに満ち足りる意味があったりするのも

言語とは差異の体系(ソシュール)

「やばい」も「すごい」も似たような変遷

一文字でも意味がある場合も。イは神聖(イハフ、イク、イム)。チは呪力や霊力。

当て字も、意味を重ねて、言葉の奥行きを表現する手段。

「たまげた」も「魂消た」にルビを振った方が、核をとらえやすい。

 

六限目

日本語は音節が細かくなる。中国語とはそういった面でも異なっている。英語とはもっと。springは一音節なのに、スプリングは五音節。

子音だけの発音がない。

取り入れる時期で読みが変わる。老若男女と男女。コップとコーヒーカップ

いのちやきずな等の大和言葉は漢字よりも人を動かす。

「たとへば君ー四十年の恋歌」相聞歌、万葉集においても雑歌、挽歌と並んで大きな構成要素。

雑種文化、日本が好きで、世界も好き

日本語が同族かの証

外来語ーカタカナ語も日本語。組み合わせもある。チーム力、シズル感

映画を筆頭に英語以外の言語が遮断

 

七限目

ウミ・ヤマ・カワなど日本語の単語は2音が基本で、助詞と合わせて「二・二・一」か「二・一・二」で、これにより七五調が身に染みる。井上ひさし

上がって下がるリズムが作れる

テンポとリズムも意味同様に大事。走れメロス

声の高さに合わせて、喋る速度を変える。

音読しやすい文章と、しにくい文章は人によって様々。合うのものをテンションがあがるアンソロジーや、心が落ち着くアンソロジーなどと分類する。

翻訳者によっても、リズムがことなる。

 

八限目
九限目

紋切型も紋切型の表現

誤用も辞書に乗れば正用。言葉は生命であり、民主主義的。

ただ、なんでも誤用を肯定するのではなく、言葉の生命力に根差しておらず、学力の低さに起因するものは指摘するべき。「情けは人の為ならず」を放置すると、矛盾した意味が両立し、言葉として意味をなさなくなる。

型に忠実な新聞。型をくずしてこその文学者。

 

十限目

マナーこそが文明

敬語は潤滑油

敬語によって主語を省略できるようになった。コトアゲ。「天皇が~○○」という文が不敬。

源氏物語の現代語訳などの、美しい文章を音読したり書き写すと、敬語が身につく。

敬語は場を落ち着かせる。

 

十一限目

手書き文は唯一無二の思い出になる

キレのいい短い文を書く時は、手書きの方が良い

 

十二限目

なまの反応が学習効果を高める

質問に答える形で、語りを入れていくと、臨場感が生まれる。

 

感想

中期の目標を決めて、本を読んでいきたいと思えた。

身体的な動きを大事にし、脳内だけの交信(黙読、黙聴)を避けるべし、という内容が複数の章であって、日本語であっても音読していきたいと思えた。

言語と思考はお互いに強い影響を与えると考えているので、敬語や講義等での生の反応は大事にしたい。

 

【メモ】アフリカ人が工夫しない理由

先進国との差として

①人的集約の程度

 

②アイデアの不足

 

③資料だけで信頼する空気感

 

④工夫によって、生活が良くなっていくという共通認識

 

①南米は一万年程度の歴史だが、アフリカは7万年以上。類人猿を含めればもっと長く人がアフリカに生息し続けていた。それ故、菌やウイルスは人間を活かさず殺さずの状態でとどめる程度に強力なものが多数発達している。ひとたび都市を築こうとすれば、疾病が蔓延しやすい。そもそも土地も利用しにくいし、言語や文化多様な状態で固定化していたところに無理に国境を引かれたので、連帯が難しい。分業もスムーズに進行しない。

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ソ連軽工業では遅れていたが、核兵器とミサイル分野ではアメリカとも競っていた。アイデアの模倣は非常に強力で、存在さえ知っていれば製造できることも多い。

 

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技術や資材的には第二次世界大戦前でも、米ソなら、原子爆弾の開発に着手出来たかもしれない。だからといって1920年、30年代の人々が間抜けということにはならない。

例えば、滑車やら手押し車やら、重いものを運ぶ創意工夫がなされないのは、そもそも類似のアイデアが無いから。また、周りにある物品の種類そのものが少ないので、生産物や収穫物にはそれぞれ特有の性質があって、育て方や扱い方にも特有のノウハウがある、という発想も発生し得ない。

 

③日本人も1930年でも、金融を信じれない人がいた。

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現在でもスマホでの支払いや、ネットオークションを利用したがらない日本人は多い。

だが、日曜大工をするとして、店で売っている釘や木の板の品質が表示より劣っているかもしれない等と考える人はいない。

工業などで、直接原料をやり取りするとして、粗悪品を送り付けられる心配をする人も、先進国にはいない。

ところが、そもそもアフリカでは、何か創意工夫によって全体の負担を軽減できるといっても、各々の負担に応じた報酬が受け取れるか、完成品が盗まれないかなどの保証がないだろう。

 

④仮に一人の人間が何か画期的なものを思いついても、他の人の協力が無ければ成立しない。

例えば、両親は祖父母より良い暮らしをしているという話や、テレビ(同郷の人間が豊かになっている様)の恒常的な視聴などがなければ、そこで暮らす人は先祖代々の暮らしをこれからもしてゆくという世界観になる。

そのような人たちの助けを借りるのは難しいだろう。