harapeco20200309の日記

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藤田 直央 ナショナリズムを陶冶する ドイツから日本への問い (朝日選書) 書評

ナショナリズムを陶冶する ドイツから日本への問い (朝日選書) | 藤田直央 |本 | 通販 | Amazon

 

内容

ナチスと戦後教育、東西格差を通じてナショナリズムに迫る。

 

戦争がもしなかったら、天皇は現人神にならなかったと思う(姜)

象徴天皇制は、平成になって本格的に作られた

天皇と国民は合わせ鏡

国民という存在から成り立つ近代国家に、そもそも安全装置はない

歴史がどう語られるかはその国のナショナリズムの理解に欠かせない

鋭敏化、ナチス教育で排外主義の子供に考えるきっかけを与えたい

冷戦がはじまると、ナチスの犯罪を徹底的に訴追する機運はしぼんだ

ナショんリズムが最悪の形で現れたナチズム

ベルリンは資本主義と共産主義が互いに優位を誇示するショーウィンドー

どういう国家を目指すかという理念を、国民自身が紡がねばならない

ノイエ・ヴァッヘでそもそも国家として誰を弔うのかの答えがなかなか出なかった

スターリニズムの犠牲者も弔っている(独ソ関係で東欧が西に押し出されたから)

ドイツは移民の国

難民問題への処方箋として、極右勢力が叫ぶ排外主義以外のものを示すことが大事

ドイツの歴史教育は二層になっている

教科書策定において、国家の物語とナショナリズムの物語は別

国家の物語は地域や世界の物語に包摂されなければならない

東ドイツ政府は自分たちこそナチズムに立ち向かったドイツの歴史の進歩的要素の継承者と考えていた

近代国家としてのドイツはパッチワークからなっている

ナチスは階層的に中間層とよばれる人たちによく浸透した

欧州によみがえったポピュリズムの妖怪(排外主義)

コロナで内向きの安定に腐心し、壁は高まっている

 

感想

日本との結び付けはあえて少なくしたのかもしれない。

ナチスの要素が強いのか、そうでもないのか判断つかないが18,19世紀のドイツと現在の関係にも触れて欲しかった。